「門松は冥土の旅の一里塚」は、正月を迎えるたびに年を重ねることで、死へ一歩ずつ近づいているという意味の慣用句です。
解釈
- 門松: 正月飾りの松飾り。年神を迎えるために飾られたものです。
- 冥土: 死後の世界。仏教における六道の一つで、苦しみを受ける場所とされています。
- 旅の一里塚: 古代東海道などに設けられていた里程標。一里(約4km)ごとに設置され、旅人が自分の進んだ距離を確認する目安とされていました。
つまり、この慣用句は、門松を目にするたびに、自分が死へ近づいていることを意識するという意味になります。
正月は本来、新たな年を迎えるおめでたい行事ですが、同時に一年が過ぎ、寿命がまた一つ減ったという側面もあります。
この慣用句は、人生のはかなさや無常を表現した言葉と言えるでしょう。
類似のことわざ
- 年忘れ
- 花より団子
- 光陰矢のごとし
- 朝露
- 南柯夢
英語表現
英語では、「門松は冥土の旅の一里塚」に直接的に対応する表現はありませんが、以下のような表現でニュアンスを伝えることができます。
- 「Every New Year brings us closer to death.」: 正月を迎えるたびに、死へ近づいていることを意識する。
- 「Life is fleeting, and we should cherish each moment.」: 人生は儚いものなので、今この瞬間を大切にすべきだ。
- 「As we age, we get closer to the end of our journey.」: 年齢を重ねるにつれて、人生の終わりが近づいてくる。
その他
「門松は冥土の旅の一里塚」は、江戸時代頃から使われている慣用句です。
俳句や和歌などの文学作品にもよく登場します。
現代社会では、死に対する考え方が多様化しており、必ずしもこの慣用句に共感するとは限りません。
しかし、人生の有限性や無常について考えるきっかけを与えてくれる言葉であると言えるでしょう。
参考URL:
「門松や 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」という歌は、誰の作か、どういう意味かを知... | レファレンス協同データベース