「軒を貸して母屋を取られる」とは、好意で一部を貸したために、いつの間にか主要な部分や全体まで奪われてしまうことを意味する慣用句です。
この由来は、商売上手な家主が、別の商人に軒先の一部を貸したというエピソードに基づいています。
- 好意から始まる貸し借り
- 商売上手な家主が、別の商人に軒先の一部を貸してあげます。
- 借りた商人は家主のアドバイスを受け、商売が繁盛します。
- 徐々に増える要求
- 店が繁盛するにつれて、借りた商人は店が狭いと感じ始めます。
- 家主に、さらに広い場所を貸してほしいと依頼します。
- 家主の苦境
- 一方、家主は商売がうまくいかず、困窮していました。
- 借りた商人に頼り、家計を支えてもらっていました。
- 裏切りと奪い
- 家主の苦境を知った借りた商人は、家主から店を奪い取ろうと画策します。
- 家主は追い出され、店は全て借りた商人のものになってしまいます。
- 教訓
- このエピソードは、好意で貸したものが、いつの間にか全て奪われてしまうという教訓を教えてくれます。
- 人を簡単に信じてはいけない、油断は禁物という戒めにもなります。
- 用例
- 悪意を持って利用しようとする人への警戒心
- 善意を利用して利益を得ようとする人への警告
- 貸し借りのリスク
- 人の好意に甘えすぎることの危険性
- 類義語
- 恩を仇で返す
- 虻蜂取らず
- 虎穴に入らずんば虎子を得ず
- 知らぬが仏
- 対義語
- 施されたら施し返す
- 情けは人の為ならず
- 英語表現
- "To lend a hand and lose an arm."
- "To give someone an inch and they'll take a mile."
- "No good deed goes unpunished."
- まとめ
「軒を貸して母屋を取られる」は、人への過信や油断が招く悲劇を戒める慣用句です。
この教訓を活かし、誰かを信頼する際には慎重に判断し、貸し借りには十分な注意を払うことが大切です。
参考URL:
軒を貸して母屋を取られる(のきをかしておもやをとられる)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書