「画竜点睛を欠く」は、物事が完成間近でありながら、最後の仕上げができていない状態を指す四字熟語です。
読み方
「がりょうてんせいをかく」
語源
中国の南朝梁時代の画家の張僧繇(ちょうそうよう)という人物が、建康(現在の南京市)の寺に龍の壁画を描いたという故事に由来します。張僧繇は非常に巧みに龍を描いたのですが、最後に瞳を描き入れるのを忘れてしまいました。すると、描かれた龍は生き生きと動き出し、そのまま空へと飛び去ってしまったというのです。
この故事から、「画竜点睛」は、物事の仕上げに最も重要な部分を指すようになりました。そして、「画竜点睛を欠く」は、その重要な部分がないために、せっかくの物事が台無しになってしまうという意味で使われるようになったのです。
例文
- この小説は非常に面白いが、ラストが唐突で画竜点睛を欠いている。
- 彼のプレゼンは完璧だったが、最後の質疑応答で詰めが甘く、画竜点睛を欠いた。
- 新製品は素晴らしい機能を備えているが、デザインが古臭く、画竜点睛を欠いている。
使い方
「画竜点睛を欠く」は、物事がほぼ完成しているのに、最後の仕上げができていないことを指摘したいときに使われます。具体的には、以下の点に注意して使うと良いでしょう。
- 物事がどの程度完成しているのか
- 最後の仕上げがなぜ重要なのか
- 最後の仕上げがないことによって、どのような問題が生じるのか
類義語
- 虎頭蛇尾
- 功を煮る
- 水の泡
- 後の祭り
- 煮え切らない
対義語
- 円満
- 完璧
- 文句なし
- 非の打ち所がない
- 申し分ない
文化的な背景
「画竜点睛を欠く」は、中国の故事に基づく四字熟語であり、古くから中国の文化の中で用いられてきました。日本には江戸時代頃に伝来し、現在でも広く使われています。
現代社会における「画竜点睛を欠く」
現代社会においても、「画竜点睛を欠く」は、様々な場面で使用されています。例えば、ビジネスにおいては、せっかくの企画が最後の詰めが甘いために失敗してしまうことがあります。また、学業においては、試験勉強を十分にしていたのに、最後のケアレスミスで不合格になってしまうことがあります。このように、「画竜点睛を欠く」は、私たちの生活の中で様々な形で現れています。
まとめ
「画竜点睛を欠く」は、物事が完成間近でありながら、最後の仕上げができていない状態を指す四字熟語です。この言葉を使う際には、物事がどの程度完成しているのか、最後の仕上げがなぜ重要なのか、最後の仕上げがないことによってどのような問題が生じるのかを具体的に説明することが大切です。
補足
「画竜点睛」は、「瞳を入れる」という意味だけでなく、物事の仕上げに最も重要な部分という意味でも使われます。例えば、「この論文には画竜点睛の指摘がある」というように使うことができます。
参考URL:
「画竜点睛(がりょうてんせい)」「画竜点睛を欠く」の意味と使い方を例文で解説!【高校生なう】|【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信