「多岐亡羊」とは、方針が多すぎて、どれを選ぶべきか迷うことを表す慣用句です。
意味:
- 枝道が多すぎて逃げた羊を見失ってしまうように、学問の道もいろいろな方面に分散しすぎていると、真理を求めにくくなること。
- 方針が多すぎて、どれを選ぶべきか迷うことのたとえ。
- 分かれ道が多いため逃げた羊を見失うように、どれを選んだらよいのか思案にあまることのたとえ。
- 道を求める者が末節にこだわり、真理に到達し難いこと。
- 学問の道があまりに細分化しすぎ、真理が見失われがちになるたとえ。
語源:
- 中国の戦国時代の思想家である列子の『列子』説符篇にある故事から。
- ある人が羊を飼っていたが、羊が逃げ出した。それを追いかけたが、道が分かれていて、どの道に羊が逃げたか分からなくなってしまった。
例文:
- 彼は多岐亡羊で、何をすればいいのか分からない。
- 興味の赴くままに勉強をすると、多岐亡羊になってしまう。
- 目標を達成するためには、多岐亡羊にならないように、集中することが大切である。
類義語:
- 邯鄲の学歩
- 一兎を追うものは二兎を得ず
- 欲張り心は身を滅ぼす
- 焦りは禁物
- 着実に
対義語:
- 一本道
- 集中する
- 目標を定める
- 計画的に
- 慎重に
補足:
- 多岐亡羊は、現代社会にも通じる教訓である。
- 情報過多の時代において、多岐亡羊にならないように、情報を取捨選択することが大切である。