「起死回生」とは、日本語の四字熟語で、絶望的な状況から立て直し、一挙に勢いを盛り返すことという意味を持ちます。「起死」(kishu) は「死にかかっている人を生き返らせる」こと、「回生」(kaisei) は「死んだ人を生き返らせる」ことを意味します。
「起死回生」の由来
「起死回生」の由来は、中国の故事から由来しています。
- 春秋時代 の 斉国 の政治家 晏嬰(あんえい/An Ying) が、斉景公(せいけいこう/Qi Jinggong) に重用されていた頃、斉景公は酒宴に耽り、政治を顧みませんでした。ある日、晏嬰は斉景公に、「もし斉の国が滅亡したら、私はこの玉の杯で毒酒を飲んで死にます。」 と言いました。斉景公は晏嬰の言葉を聞き、深く反省し、政治に励むようになりました。
- 漢代 の政治家 張良(ちょうりょう/Zhang Liang) は、幼い頃に秦の始皇帝に家族を殺され、復讐を誓いました。その後、劉邦(りゅうぼう/Liu Bang) と出会い、彼を助けて漢朝を建国しました。張良は、劉邦の参謀として、様々な計略を巡らし、漢朝の勝利に大きく貢献しました。
これらの故事から、「起死回生」という言葉は、「絶望的な状況からでも立ち直ることができる」という意味合いを持つようになりました。
「起死回生」の使い方
「起死回生」は、主に以下の様な状況で使われます。
- スポーツ: 試合終盤に絶体絶命のピンチを乗り越え、勝利を収める
- ビジネス: 倒産寸前の企業が、新商品や新サービスで大ヒットし、V字回復を果たす
- 個人: 病気や失業などの困難を乗り越え、新しい人生を歩み始める
例
- サッカーチームが、後半アディショナルタイムに決勝点を決めて、起死回生の勝利を収めた。(The soccer team scored the winning goal in extra time in the second half to achieve a comeback victory.)
- 会社が、新社長の就任を機に、業績がV字回復を果たした。(The company achieved a V-shaped recovery thanks to the inauguration of a new president.)
- 彼は、交通事故で重傷を負ったが、リハビリテーションを経て、再び仕事に復帰することができた。(He was seriously injured in a car accident, but he was able to return to work after rehabilitation.)
「起死回生」の類義語
- 奇跡 (kiseki)
- 逆転 (gyakuten)
- 大逆転 (daigyaku)