「怒髪天を衝く」とは、日本語の四字熟語で、怒りで髪が天を衝つくほど逆立っているさまという意味を持ちます。
「怒髪」(どはつ/dohatsu) は、怒りで逆立っている髪を指します。「天を衝く」(てんをつく/ten o tsuku) は、非常に高いところまで突き上げることを意味します。
つまり、「怒髪天を衝く」は、怒りのあまり髪が逆立って天に届くほどである様子を表現し、非常に激しい怒りの形相を表す言葉です。
「怒髪天を衝く」の由来
この四字熟語は、中国の史記「藺相如伝」に由来します。
故事
紀元前3世紀、中国の戦国時代のこと。趙の藺相如は、秦の王に宝玉を献上するよう命じられます。しかし、藺相如は秦が宝玉を奪い取ろうとしていると察し、宝玉を秦に渡さずに持ち帰ります。秦の王は激怒し、藺相如を処刑しようとしますが、藺相如は毅然とした態度で秦の王に反論します。その際、藺相如はあまりの怒りで髪が逆立ってしまったという故事があります。
「怒髪天を衝く」の使い方
この四字熟語は、主に以下の様な状況で使われます。
- 非常に激しい怒りの様子を表す
- 怒りで逆立っている髪を表現する
- 怒り狂っている様子を強調する
例
- 彼は、部下の裏切りを知り、「怒髪天を衝く」勢いで怒鳴りつけた。(He was so angry with his subordinate's betrayal that he shouted at him with "hair standing on end".)
- 彼女は、理不尽な仕打ちを受け、「怒髪天を衝く」ような形相で相手を睨みつけた。(She was so angry with the unfair treatment that she glared at the other person with a "hair standing on end" look.)
- 政治家は、スキャンダルが発覚し、「怒髪天を衝く」演説を行った。(The politician gave a "hair-raising" speech after the scandal was exposed.)
「怒髪天を衝く」の類義語
- 怒り狂う (ikarikuruu)
- 激怒する (gekiro suru)
- 憤慨する (fungaisuru)
- かんかんになる (kankan ni naru)
- 血相を変える (kekisō o kaeru)
「怒髪天を衝く」の対義語
- 冷静 (reisei)
- 泰然自若 (taizenjijaku)
- 穏やか (onoyaka)
- 涼しい顔 (suzushī kao)
- 鼻先で笑う (hanasen de warau)