「痛し痒し(いたしかゆし)」は、二つの相反する要素が同時に存在し、どちらを選ぶべきか迷う状態を表す慣用句です。漢字の通り、「かくと痛いし、かかないと痒い」というところから来ています。
具体的には、以下のような状況で使われます。
- メリットとデメリットが両方あり、どちらを選ぶべきか決められない
- 二つの選択肢があり、どちらも捨てがたい
- ジレンマに陥っている
例えば、以下のような例が挙げられます。
- 新しい仕事に就きたい気持ちと、今の安定した生活を手放したくない気持ちで、「痛し痒し」を感じている。
- ダイエットしたい気持ちと、美味しいものが大好きでやめられない気持ちで、「痛し痒し」を感じている。
- 結婚したい気持ちと、自由を捨てるのが怖い気持ちで、「痛し痒し」を感じている。
「痛し痒し」は、人間の複雑な心理状態を簡潔に表現した便利な慣用句です。日常会話の中で、ぜひ使ってみてください。
類義語
- 板挟み(いたはさみ)
- 進退窮まる(しんたいきゅうまる)
- ジレンマ(じれんま)
- 両刃の剣(りょうじんのけん)
英語表現
- be on the horns of a dilemma
- be between a rock and a hard place
- have two minds about something
「痛し痒し」は、日本語ならではの奥深い表現です。状況に合わせて、適切な言葉を選んで使ってみましょう。