「人を見たら泥棒と思え」とは、他人を軽々しく信用してはいけないという意味の慣用句です。
このことわざは、江戸時代の治安が悪い時代に生まれたといわれています。当時は、スリや置き引きなどの犯罪が多発しており、人々を騙して金品を奪う悪党も少なくありませんでした。そのため、身を守るためには、他人を疑い、用心深く行動することが大切だったのです。
しかし、現代社会では、このことわざを鵜呑みにするのは適切ではありません。人を疑うことは、人間関係を築く妨げになりますし、社会全体を猜疑心で覆ってしまうことにもつながります。
もちろん、詐欺や悪徳商法などの犯罪に巻き込まれないように、ある程度の警戒心を持つことは重要です。しかし、全ての人を疑ってかかる必要はありません。
他人を信頼し、良好な関係を築くためには、相手の立場や気持ちに理解を示し、誠実にコミュニケーションを取ることが大切です。
「人を見たら泥棒と思え」ということわざは、現代社会では状況に応じて柔軟に解釈する必要があると言えるでしょう。
類義語
- 油断大敵
- 疑心暗鬼
- 念には念を入れろ
- 悪意の詮索は慎むべし
- 善人ばかりではない
英語表現
- Trust no one.
- Once bitten, twice shy.
- Better safe than sorry.
- There are no angels on earth.
- Not everyone is your friend.
このことわざは、人間の心理や社会のあり方について警鐘を鳴らすとともに、人間関係の難しさも示唆しています。
現代社会において、「人を見たら泥棒と思え」ということわざをどのように捉え、どのように行動していくべきかは、私たち一人ひとりに問われている課題と言えるでしょう。
参考URL:
人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書