「取らぬ狸の皮算用」とは、まだ捕まえていない狸の皮を売ったお金で何を買うかなどを想像すること、つまり、実現していないことに基づいて計画を立てたり、考え事をしたりすることを意味する慣用句です。
由来
この慣用句の由来は、江戸時代の安楽亭滑稽談(らくていこっけいばなし)という滑稽本にあるとされています。この本の中に、狸を捕まえようとしている男が、まだ捕まえていない狸の皮をいくらで売れるかなどを想像しているという話が出てきます。
意味
「取らぬ狸の皮算用」は、主に以下の2つの意味合いで使われます。
- 実現していないことに基づいて計画を立てること
- まだ実現していないこと、または実現の可能性が低いことを前提として、計画を立てたり、考え事をしたりすること。
- 具体的な根拠に基づいていない計画であるため、失敗する可能性が高いことを意味します。
例文
- 宝くじに当たることを前提に、豪遊する計画を立てるのは、「取らぬ狸の皮算用」だ。
- 起業する前に、十分な準備をせずに、成功を確信するのは、「取らぬ狸の皮算用」だ。
- 恋愛経験のない人が、結婚についてあれこれ考えるのは、「取らぬ狸の皮算用」だ。
- 根拠のない楽観的な考え
- 現実を直視せず、根拠のない楽観的な考えをすること。
- 困難や障害を考慮せず、甘い考えをすることを意味します。
例文
- 彼は、努力せずに成功できると思い込んでいるのは、「取らぬ狸の皮算用」だ。
- どんなに努力しても、才能がなければ成功できないことを理解していないのは、「取らぬ狸の皮算用」だ。
- 彼は、リスクを考慮せず、無謀な投資をしたのは、「取らぬ狸の皮算用」だ。
その他
- 「取らぬ狸の皮算用」は、主にネガティブな意味合いで使われます。
- 計画性や現実性に欠ける考えや行動を戒めるために使われる表現です。
類義語
- 絵に描いた餅
- 空中楼閣
- 夢物語
- 思い上がり
- 自惚れ
対義語
- 計画性
- 現実性
- 着実
- 慎重
- 謙虚