「 虎の威を借る狐」とは、自分には力がないのに、他人の力や権威を借りて威張ること。
意味:
- 自分には力がないのに、他人の力や権威を借りて威張ること。
*弱い者が、強い者の力をかさに着て偉そうに振る舞う様子。
由来:
中国の戦国時代の故事から。「戦国策」楚策にある。
昔、楚の国に春申君という大臣がいました。春申君は非常に権力があり、多くの人から恐れられていました。あるとき、春申君の部下に、子胥という男がいました。子胥は能力のある人物でしたが、性格が悪く、周囲の人から嫌われていました。
ある日、子胥は街で悪さをしているのを見つけました。しかし、子胥には力がないため、どうしようもありませんでした。そこで、子胥は春申君の名を騙り、悪漢を追い払いました。悪漢は、春申君が来たと思い、慌てて逃げ去りました。
この話を聞いた春申君は、子胥が自分の威光を借りて威張っていることを知りました。そして、子胥を叱りつけました。
この故事から、「虎の威を借る狐」という慣用句が生まれました。
使い方:
- 社長の前でだけは偉そうに振る舞っているが、実際はただの腰巾着だ。まさに虎の威を借る狐だ。
- あいつは、兄貴の力を借りてばかりで、自分で何もできない虎の威を借る狐だ。
- 権力者の威光を借りて、弱い者をいばるのは許されない。
類義語:
- 他力本願
- 親の威光
- 狐假虎威 (中国語)
英語訳:
- live under the shadow of someone else
- borrow another's power
- assume the airs of a person of importance
例文:
- 新入社員の田中さんは、上司の前では偉そうに振る舞っていますが、実際は先輩社員から言われるがまま。まさに虎の威を借る狐ですね。
- あの政治家は、マスコミの力を借りてばかりで、まともな政策を何も打ち出していない。まさに虎の威を借る狐です。
- 私たちは、他人の力に頼らず、自分の力で道を切り開いていかなければなりません。