「刀折れ矢尽きる」とは、戦いに敗れてさんざんな有様になることのたとえです。転じて、物事に立ち向かう手段がまったくなくなる場合にも言われます。
語源
このことわざは、後漢書 ― 段熲伝の一節から由来しています。
二世紀半ば、後漢王朝の時代の中国の将軍、段熲は、ある日の明け方、異民族の軍隊から攻撃を受けました。段熲は必死に戦いましたが、兵士たちは次々と倒され、武器も尽きてしまいました。
例文
- 長年戦いを続けてきたが、ついに刀折れ矢尽きる時が来たようだ。
- 会社は経営不振で、資金も人材も尽きてしまった。まさに刀折れ矢尽きる状態だ。
- 彼は病気と闘病生活を続けてきたが、ついに刀折れ矢尽きる時を迎えてしまった。
類似のことわざ
- 窮途末路(きゅうとまつろ): 行き詰まって、どうしようもなくなった状態。
- 風前の灯(かぜまえのともしび): もうすぐ消えてしまう灯火のように、ぎりぎりの状態。
- 背水の陣(はいすいのじん): 後ろに川があって退路を断ち、決死の戦いを挑むこと。
英語表現
- "At the end of one's tether."
- "To be at one's wit's end."
- "To be down to one's last bullet."
まとめ
「刀折れ矢尽きる」は、戦いに敗れて絶望的な状況になった様子をあらわすことわざです。物事に立ち向かう手段がまったくなくなった場合にも使われます。
このことわざは、人間の弱さや限界を思い起こさせてくれます。しかし、どんな状況であっても、最後まで諦めずに戦い続けることが大切であることを教えてくれます。