「上前を撥ねる」という言葉は、他人に取り次ぐ賃金や代金の一部を自分のものにする、かすめとるという意味の慣用句です。「ピンはねをする」とも言い換えます。
語源
「上前」とは、取引の際に仲介者などが取る手数料のことです。もともとは、江戸時代の武家で、家来が主人の許可を得ずに取引から手数料を取ることを指していました。
意味
「上前を撥ねる」という言葉は、本来仲介者などに支払われるべき手数料を、自分のものにしてしまうという意味で使われます。具体的には、以下のような状況で使われます。
- 不動産屋が、買主と売主の間に立って、本来自分たちに入るべき手数料よりも高額な手数料を取った。
- 芸能事務所が、タレントのギャラの一部を自分のものにした。
- 政治家が、公共事業の受注業者から賄賂を受け取った。
例文
- 彼らは、いつも仕事の上前を撥ねていた。
- 彼は、社長の許可を得ずに、上前を撥ねていたことがばれた。
- この業界では、上前を撥ねることはよくあることだ。
注意
「上前を撥ねる」という言葉は、倫理的に問題のある行為を表す言葉です。使う際は、その行為を肯定するようなニュアンスにならないように注意する必要があります。
類義語
- ピンはねをする
- 中抜きする
- 搾取する
- 横領する
- 悪徳商売をする
対義語
- 正当に稼ぐ
- 適切な手数料を取る
- 誠実に働く
- 倫理的に正しい行動をする
- 法律を守る
まとめ
「上前を撥ねる」という言葉は、他人に取り次ぐ賃金や代金の一部を自分のものにする、かすめとるという意味の慣用句です。「ピンはねをする」とも言い換えます。使う際は、倫理的に問題のある行為を表す言葉であることに注意しましょう。