「一日千秋」と は、一日がとても長く感じられ、待ち遠しく思うことを意味する四字熟語です。会いたい人や楽しみな出来事が控えているため、はやくその日、その時にならないかと強く望んでいる状況で使用されます。
語源
「一日千秋」の語源は、中国の故事に由来します。
昔、あるところに孝行息子がいました。息子は、病気の母親のために薬を探しに旅に出ました。しかし、なかなか薬が見つからず、旅は長引いてしまいました。息子は母親が恋しくなり、一日一日がとても長く感じられました。
ある日、息子が旅先の宿で休憩していると、一羽の鶴が庭に舞い降りてきました。鶴は息子に薬を与え、こう言いました。「この薬を母親に飲ませれば、病はすぐに治るでしょう。しかし、この薬は一日千秋のように長く感じられるでしょう。」
息子は鶴に礼を言い、薬を持って家路につきました。そして、母親に薬を飲ませたところ、母親の病はすぐに治りました。
息子は、母親が元気になった喜びと、旅の辛さを思い出して、一日千秋という言葉を使ったと言われています。
使い方
「一日千秋」は、以下のような状況で使われます。
- 会いたい人やペットに会えるのを待ち遠しく思うとき
- 楽しみな旅行やイベントが近づくのを待ち遠しく思うとき
- 試験や発表会の結果が出るのを待ち遠しく思うとき
- 新しい仕事やプロジェクトが始まるのを待ち遠しく思うとき
例文
- 彼氏は、海外旅行から帰ってくる彼女を一日千秋の思いで待っていた。
- 入社式が近づくにつれて、新入社員たちは一日千秋の思いだった。
- テストの結果が出るまで、私は一日千秋の思いだった。
- 新しいスマホの発売日を、私は一日千秋の思いで待っていた。
類義語
- 一刻千秋
- 三日三晩の思い
- 朝思暮想
- 魂飛ぶ
- 望眼欲穿
英語表現
- feel like an eternity
- seem like forever
- can't wait for
- look forward to eagerly
- yearn for
まとめ
「一日千秋」は、待ち遠しさや焦燥感を表す際に使える便利な四字熟語です。目上の人に対して使うこともできます。
以下は、「一日千秋」を使った例文です。
例文1
転勤が決まり、家族と離れる日が近づくにつれて、私は一日千秋の思いだった。
例文2
クリスマスが近づくにつれて、子供たちは一日千秋の思いでプレゼントを待っていた。
例文3
長年温めてきたプロジェクトがようやく完成し、発表の日を一日千秋の思いで待っていた。