「雲泥の差」とは、非常に大きな違いがあることを意味する慣用句です。天と地ほどの違いと例えられ、そのあまりの差の大きさを強調します。
語源
「雲泥の差」の語源は、中国の唐代の詩人である白居易の詩「傷友」に由来します。この詩の中で、白居易はかつての友人との境遇の差を嘆いています。
世態炎涼変遷多(せたいえんりょうへんせんた)
故人今已隔山河(こじんいますでにさんがり)
富貴門前多客到(ふきもんぜんたくかくとう)
貧賤路隅少人過(ひんせんろすみしょうじんか)
現代語訳
世の中は移り変わりが激しく、
かつての友とは今は山河で隔たれている。
富貴な者の門前には客が絶えず訪れるが、
貧しい者の路地裏を通る人は少ない。
この詩の中で、白居易は富貴な者の門前と貧しい者の路地裏を対比させ、そのあまりの差を「雲泥の差」と表現しています。
使い方
「雲泥の差」は、以下のような状況で使われます。
- 以前と現在とで状況が大きく変わってしまったとき
- 二つのものが非常に大きく異なる場合
- 能力や成果などに大きな差がある場合
例文
- 入社前は貧乏生活だったが、今では大企業の社長になった。まさに雲泥の差だ。
- 彼の勉強方法と私の勉強方法は雲泥の差なので、同じ点数を取るのは難しい。
- 新しいパソコンと古いパソコンの性能は雲泥の差なので、買い替えた方がいい。
類義語
- 天壤の別
- 霄壤の差
- 懸隔の差
- 格段の差
- 著しい差
英語表現
- a world of difference
- a vast difference
- a huge difference
- a great disparity
- a significant gap
まとめ
「雲泥の差」は、非常に大きな違いがあることを強調したいときに使える便利な慣用句です。目上の人に対して使うこともできます。
以下は、「雲泥の差」を使った例文です。
例文1
一流大学と三流大学では、教育レベルに雲泥の差がある。
例文2
マラソンのトップ選手と初心者ランナーのタイムには、雲泥の差がある。
例文3
昔は田舎暮らしだったが、今は都会で華やかな生活を送っている。まさに雲泥の差だ。