「手を拱く」とは、両手を胸の前で組んで敬礼するという意味の言葉です。
歴史
「手を拱く」は、中国の古代から行われてきた伝統的な挨拶の仕方です。日本では、江戸時代に儒教の影響を受けて伝来し、主に武士や僧侶の間で使われていました。明治時代以降は廃れてしまいましたが、まれに文学作品などで使われることがあります。
現代での意味
現代では、「手を拱く」は主に「何もせずに傍観している」という意味で使われます。これは、手を組んでしまうと何もできなくなることから派生した意味です。
例文
- 当局は、問題の深刻さを認識しながらも、手を拱いていた。
- 近所の人たちは、いじめられている子供を見て、ただ手を拱いていた。
- 社員たちは、上司の無茶な指示に、何も言い返せず、手を拱いていた。
類義語
「手を拱く」の類義語としては、「傍観する」「無関心でいる」「見て見ぬふりをする」「袖手傍観する」などがあります。
注意
「手を拱く」は、「何もせずに傍観している」という消極的な意味を持つ言葉なので、「準備して待ち構えている」という意味で使われるのは誤用です。
まとめ
「手を拱く」は、歴史的な意味を持つ言葉ですが、現代では主に「何もせずに傍観している」という意味で使われます。使う場合は、正しい意味を理解した上で、適切な場面で使うように注意しましょう。