「一難去ってまた一難」とは、一つの災難がようやく終わったと思ったら、すぐに次の災難がやってくるという意味のことわざです。次々と災難が襲ってくる様子を表します。
語源
「一難去ってまた一難」の語源は、中国の故事から来ていると言われています。
故事
中国の宋代に、蘇軾という詩人がいました。蘇軾は政治的な弾圧を受け、何度も流刑の憂き目に遭いました。あるとき、蘇軾はようやく流刑地から故郷に戻ることができました。しかし、故郷に戻った途端に、今度は息子が亡くなってしまうという悲劇に見舞われます。蘇軾はこの出来事を嘆き、「一難去ってまた一難」という言葉を残しました。
文化的な背景
「一難去ってまた一難」ということわざは、人生の無常を表しています。人生には、良いことも悪いことも起こります。そして、悪いことが続いたと思ったら、良いことが起こるというように、浮き沈みが激しいものです。
現代的な用法
「一難去ってまた一難」ということわざは、現代でもよく使われます。仕事や人間関係などで困難な状況が続いたときなどに、愚痴や嘆きを込めて使われることが多いです。
例
- 会社でリストラが行われ、やっと就職したと思ったら、今度は体調を崩してしまう。まさに「一難去ってまた一難」だ。
- 恋愛で失恋し、やっと立ち直ってきたと思ったら、今度は仕事で大きな失敗をしてしまう。「一難去ってまた一難」とはよく言ったものだ。
類義語
- 虎口を逃れて竜穴に入る
- 弱り目に祟り目
- 泣きっ面に蜂
まとめ
「一難去ってまた一難」ということわざは、人生の苦難について教えてくれます。人生には、良いことも悪いことも起こります。しかし、どんな困難も乗り越えられるという希望も与えてくれます。
補足
- 「一難去ってまた一難」は、「一難即一難」と書くこともあります。意味は同じです。
- 「一難去ってまた一難」は、四字熟語です。四字熟語とは、四つの漢字で成り立つ慣用句のことです。
- 「一難去ってまた一難」は、ポジティブな意味で使われることもあります。困難を乗り越えたことで、さらに強くなれるという意味です。
参考URL:
一難去ってまた一難 - ウィクショナリー日本語版