「五十歩百歩」とは、ある程度の違いはあるものの、本質的な相違は無いことを表す慣用句です。言葉通りに読み取れば、「五十歩も百歩も変わらない」ということです。
由来
「五十歩百歩」は、中国の思想家である孟子の言葉から由来しています。孟子は、梁の恵王に対して、隣国との政治について以下のように述べました。
王様にその道理がおわかりになるのでしたら、あなたの国の人民が、隣国より多くなることをお望みになどならないことです。 (人民が苦しむのを凶作のせいにするようでは、他国の政治と大差がないのです。)
この故事から、「五十歩百歩」は、違いがあまりないことを表す慣用句として使われるようになりました。
使い方
「五十歩百歩」は、以下のような状況で使われます。
- 二人の人の能力や実績を比較するとき
- 二つの物の価値や質を比較するとき
- 二つの意見や考え方を比較するとき
例
- AさんとBさんの英語力は、五十歩百歩と言えそうだ。
- この二つのレストランは、料理の味もサービスも、五十歩百歩だ。
- 彼の意見と私の意見は、五十歩百歩の違いしかない。
「五十歩百歩」という言葉は、二つのものを比較するときに、どちらが優れていると断定することが難しいというニュアンスで使われます。謙虚な気持ちで、相手を尊重するという意味合いも込められています。
この言葉を使う際は、以下の点に注意しましょう。
- 相手を尊重する気持ちで使う
- どちらかを優劣をつけるような言い方は避ける
- ユーモアを交えて使う
類義語
- どっこいどっこい
- どっちもどっち
- 大同小異
- 伯仲
- 互角
対義語
- 雲泥の差
- 天と地ほどの差
- 格段の差
- 圧倒的な差
- 懸絶的な差
まとめ
「五十歩百歩」は、ある程度の違いはあるものの、本質的な相違は無いことを表す慣用句です。謙虚な気持ちで、相手を尊重するという意味合いも込められています。この言葉を使う際は、以下の点に注意して、適切な場面で使われるようにしましょう。
このことわざを教訓に、
- 自分の意見に固執せず、相手の意見にも耳を傾ける
- 周りの人と協力して、物事を解決する
- 謙虚な気持ちで人と接する
ように心がけましょう。