「一を聞いて十を知る」は、物事の一端を聞いただけで全体を理解できるという意味のことわざです。賢明で察しのいいことのたとえとして使われます。
このことわざは、中国の古典籍である『論語』公冶長篇に由来します。この篇の中で、孔子は弟子である子貢に次のように問いかけます。
子貢曰く、賜や何ぞ敢えて回を望まん。回や、一を聞いて十を知る、賜や、一を聞いて以て二を知るのみ。
(子貢曰く、私はどうして顔回に及びましょうか。顔回は一を聞いて十を知り、私は一を聞いて二を知るだけです。)
この言葉から、「一を聞いて十を知る」という表現が生まれました。
使い方
「一を聞いて十を知る」のことわざは、以下のような場面で使われます。
- 非常に賢明で理解が早い人を褒める
- 物事の本質を素早く見抜く人の能力を表現する
- 断片的な情報から全体像を推測する能力を称賛する
例文
- 「彼女は一を聞いて十を知る天才だ。」 (Kanojo wa ichio kiite jū o shiru tensai da.) - 彼女は一を聞いて十を知る天才だ。
- 「彼は一を聞いて十を知る洞察力を持っている。」 (Kare wa ichio kiite jū o shiru dōsatsu ryoku o motte iru.) - 彼は一を聞いて十を知る洞察力を持っている。
- 「一を聞いて十を知るような彼の判断力には感服する。」 (Ichio kiite jū o shiru yōna kare no handanryoku ni wa kanshoku suru.) - 一を聞いて十を知るような彼の判断力には感服する。
類義語
- 一を聞き二を悟る (ichi o kiki ni o satoru) - 一を聞いて二を知る
- 耳が聡い (Mimi ga satoi) - 耳が利く
- 目が高い (Me ga takai) - 目利き
- 勘が鋭い (Kan ga surどい) - 勘が冴える
反対語
- 一を聞き二を忘れる (ichi o kiki ni o wasureru) - 一を聞いて二を忘れる
- 耳が遠い (Mimi ga tōi) - 耳が遠い
- 目がない (Me ga nai) - 目利きでない
- 勘が鈍い (Kan ga n鈍い) - 勘が冴えない
まとめ
「一を聞いて十を知る」は、物事の本質を素早く見抜く人の能力を称賛する際に使われる便利な日本語のことわざです。賢明で洞察力のある人を表現したいときに、ぜひこのことわざを使ってみてください。
参考URL:
一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書