「腹に一物」は、心中に何かしらたくらみを持っていることを意味する慣用句です。「胸に一物」とも言い、どちらも同じ意味で使われます。
語源
「腹」や「胸」は、古くは考えや感情の宿る場所と考えられていました。そのため、「腹に一物」という言葉は、心に何かを秘めているという意味で使われるようになりました。
意味
「腹に一物」には、主に以下の2つの意味があります。
- 具体的な計画や目的を持っている
- 悪い考えや企みを持っている
どちらの意味で使われるかは、文脈によって判断する必要があります。
使い方
- あの男はいつも怪しい。腹に一物ありそうだ。
- 彼は常に冷静沈着で、何を考えているのか分からない。腹に一物を持っているに違いない。
- 社長は腹に一物ありそうだ。近いうちに何か大きな発表があるかもしれない。
例文
- 例文1: 彼はいつもニヤニヤ笑っていて、腹に一物ありそうだ。
- 例文2: 社長は腹に一物を持っているようで、近いうちに何か大きな改革を実行するかもしれない。
- 例文3: あの女は腹に一物持って、私に近づいてきた。
類似のことわざ
- 胸に秘め事
- 肚の虫
- 魂胆
- 腹黒い
- 陰険
英語表現
英語では、「腹に一物」に相当する単一の表現はありませんが、状況に応じて以下のような表現を使い分けることができます。
- 具体的な計画や目的を持っている: have a plan up one's sleeve, have something up one's sleeve
- 悪い考えや企みを持っている: have ulterior motives, have a hidden agenda
その他
「腹に一物」は、良い意味でも悪い意味でも使われることができます。しかし、どちらの意味で使われるかは、文脈によって判断する必要があります。
また、この言葉はある程度親しい間柄で使用されることが多く、目上の人に対して使うのは失礼とされる場合があります。
注意:
- 状況によっては、「腹に一物」という言葉がネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。
- 使用する際には、相手との関係性や状況をよく考えてから使うようにしましょう。