「鼎の軽重を問う」は、古代中国の故事に基づいた慣用句です。
意味
- 権力者の実力を疑ったり、地位から引きずり落とそうとしたりすること。
- その人の価値や能力を疑うこと。
- 統治者を軽んじて、これを滅ぼし、代わって天下を取ろうとすること。
語源
この慣用句は、春秋時代の中国の故事に由来します。
当時、楚の荘王は晋を破り、天下統一を目指していました。
そこで、周の王室の宝器である九つの鼎の軽重を問うたのです。
これは、周王の権威を否定し、楚王自身が新たな王となることを宣言した行為でした。
使い方
「鼎の軽重を問う」という言葉は、権力争いや政治的な駆け引きの場面で使われることが多いです。
また、組織内の派閥争いや、個人間の競争などの状況にも使うことができます。
例文
- 例文1: 新しい社長は、就任早々、前任のやり方を批判し、鼎の軽重を問うような発言をした。(Atarashī shachō wa, jūnin sōsō, zenken no yarikata o hihan shi, kanae no keichō o tou yōna hatsugen o shita.) - 新しい社長は、就任早々、前任のやり方を批判し、鼎の軽重を問うような発言をした。
- 例文2: 彼は、ライバル会社の台頭に焦り、社内で鼎の軽重を問うような行動に出た。(Kare wa, raibaru kaisha no tairitsu ni aseri, shainai de kanae no keichō o tou yōna kōdō ni deta.) - 彼は、ライバル会社の台頭に焦り、社内で鼎の軽重を問うような行動に出た。
- 例文3: 彼女は、世の中の不条理に憤り、神の存在に鼎の軽重を問うような言葉を吐いた。(Kanojo wa, sekai no fujōri ni fumori, kami no sonzai ni kanae no keichō o tou yōna kotoba o haita.) - 彼女は、世の中の不条理に憤り、神の存在に鼎の軽重を問うような言葉を吐いた。
類義語
- 王権を奪う
- 政権を転覆する
- 権力の座を狙う
- 虎視眈々
- 謀反を起こす
英語表現
英語では、「鼎の軽重を問う」に相当する単一の表現はありませんが、状況に応じて以下のような表現を使い分けることができます。
- Challenge someone's authority: 誰かの権威に挑戦する。
- Question someone's legitimacy: 誰かの正当性を疑う。
- Undermine someone's power: 誰かの権力を弱体化する。
- Vie for power: 権力争いを繰り広げる。
- Usurp the throne: 王位を奪う。
その他
「鼎の軽重を問う」という言葉は、ネガティブな意味合いで使われることが多いです。
権力欲や野心に基づいた行動であることを理解しておくことが大切です。
また、この言葉は、実際に暴力的な行動を起こすことを意味するわけではありません。
むしろ、言葉や態度によって、相手を威圧したり、脅迫したりするような状況で使われることが多いです。
参考URL:
鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書