「耳を揃える」は、金額を不足なく整えるという意味を持つことわざです。
- 金額を不足なく整える
江戸時代以前、日本では小判や大判などの金貨が流通していました。
これらの金貨は、縁がギザギザになっており、その形状を「耳」と呼んでいました。
金貨を支払う際には、複数の金貨を組み合わせることが多くありました。
その際、すべての金貨の縁が揃うようにすることで、金額が正しいことを示していました。
これが、「耳を揃える」という言葉の語源とされています。
例文
- 例文1: 商品の代金は、金一両で耳を揃えてお支払いください。(Shōhin no daikin wa, kin ichi ryō de mimi o soroete o shiharai kudasai.) - 商品の代金は、金一両で耳を揃えてお支払いください。
- 例文2: 彼らは、借金を耳を揃えて返済した。(Kare-ra wa, shakkin o mimi o soroete hensai shita.) - 彼らは、借金を耳を揃えて返済した。
- 例文3: 会社は、赤字を耳を揃えて解消した。(Kaisha wa, akashi o mimi o soroete kaishō shita.) - 会社は、赤字を耳を揃えて解消した。
類義語
- 完納
- 完済
- 完備
- 不足なし
- 無駄なし
英語表現
英語では、「耳を揃える」に相当する単一の表現はありませんが、状況に応じて以下のような表現を使い分けることができます。
- Pay in full: 全額を支払う。
- Clear a debt: 借金を完済する。
- Meet a quota: 目標を達成する。
- Have everything in order: すべてが揃っている。
- Leave no stone unturned: 抜かりがない。
- 人々が集まって話を聞く
江戸時代以前、日本では、寄席と呼ばれる娯楽施設がありました。
寄席では、落語家や曲芸師などがパフォーマンスを行い、観客を楽しませました。
これらのパフォーマンスを聞くために、多くの人々が寄席に集まりました。
その様子を、「耳を揃える」と表現したのです。
例文
- 例文1: 寄席には、落語を聞きに耳を揃えた人々が集まった。(Yosei ni wa, rakugo o kiki ni mimi o soroeta hitobito ga atsumatta.) - 寄席には、落語を聞きに耳を揃えた人々が集まった。
- 例文2: 先生の話を聞くために、生徒たちは耳を揃えた。(Sensei no hanashi o kiku tame ni, seito-tachi wa mimi o soroeta.) - 先生の話を聞くために、生徒たちは耳を揃えた。
- 例文3: 彼は、人々の前で演説し、耳を揃えて話を聞いてもらった。(Kare wa, hitobito no mae de enzetsu shi, mimi o soroete hanashi o kikimotte mora.) - 彼は、人々の前で演説し、耳を揃えて話を聞いてもらった。
類義語
- 集まる
- 群がる
- 列をなす
- 聞き入る
- 耳を澄ませる
英語表現
英語では、「耳を揃える」に相当する単一の表現はありませんが、状況に応じて以下のような表現を使い分けることができます。
- Gather around: 集まる。
- Crowd around: 群がる。
- Form a line: 列をなす。
- Listen attentively: 聞き入る。
- Pay attention: 耳を澄ませる。
その他
「耳を揃える」という言葉は、江戸時代から使われてきたことわざです。
現代社会では、主に1つ目の意味で使われます。
しかし、2つ目の意味も、比喩的に使われることがあります。