「身も世もない」は、激しい感情や強い衝撃によって、冷静さを失い、周りが見えなくなっている状態を表す慣用句です。喜び、悲しみ、怒り、驚きなど、様々な感情に対して使うことができます。
ポイント
- 比喩表現: 実際に体がバラバラになるわけではありません。あくまでも感情の激しさを強調する表現です。
- 程度: 単に感情を感じているだけでなく、非常に強い感情に支配されていることを表します。
- 使い方: 以下の状況でよく使われます。
- 恋人に会えて身も世もないほど喜ぶ
- 大切な人を亡くして身も世もないほど悲しむ
- 理不尽な仕打ちを受けて身も世もないほど怒る
- 予想外の出来事に身も世もないほど驚く
- 注意: 強い表現なので、感情を表現する際にのみ使いましょう。事実を伝える際には不適切な表現です。
例文
- 彼女にプロポーズされて、身も世もないほど嬉しかった。
- 愛犬が亡くなって、身も世もないほど悲しみに暮れた。
- 不正が発覚して、社長は身も世もない表情だった。
- 宝くじに当たって、身も世もないほど驚いた。
類似表現
- 魂を奪われる
- 我を忘れる
- 理性を失う
- 取り乱す
- 茫然自失
「身も世もない」は、日本語ならではの情緒的な表現です。適切な場面で使用することで、感情の激しさを効果的に伝えることができます。
その他
- 「身も世もない」の語源は、仏教用語の「身心不具」だと言われています。「身心不具」とは、「心身がバラバラで統一されていない状態」という意味です。
- 英語では、"overwhelmed with emotion" や "beside oneself with joy/grief/anger/surprise" などの表現が「身も世もない」に相当します。
まとめ
「身も世もない」は、激しい感情や強い衝撃によって、冷静さを失い、周りが見えなくなっている状態を表す慣用句です。強い表現なので、感情を表現する際にのみ使いましょう。事実を伝える際には不適切な表現です。日本語学習者にとっても比較的覚えやすい表現なので、ぜひ覚えておきたいですね。