「窮鼠猫を噛む」は、追い詰められたネズミは、猫にかみつくように、弱い者も追い詰められると強い者に反撃することがあるという意味です。
「窮鼠」は、追い詰められたネズミを意味します。「猫」は、ネズミの天敵を意味します。「噛む」は、歯で噛むことを意味します。
つまり、「窮鼠猫を噛む」は、弱い者が追い詰められると、普段は考えられないような行動を起こすことがあるという、人間の心理や行動を表した言葉なのです。
使い方
- 弱い者が強い者に反撃する状況を説明する際に
- 追い詰められた人間の心理や行動を表現する際に
- 諦めずに最後まで戦うことの大切さを説く際に
例文
- 追い詰められた会社は、新事業に参入して生き残りを賭けた。まさに窮鼠猫を噛むような決断だった。
- 政治家は、選挙で負けることを恐れて、汚い手段に訴えた。窮鼠猫を噛むような行為だ。
- 最後まで諦めずに努力すれば、必ず道は開ける。窮鼠猫を噛むような強さを持って戦い抜こう。
注意
「窮鼠猫を噛む」ことわざは、必ずしも「弱い者が強い者に勝つ」という意味ではありません。
あくまでも、追い詰められた人間は、普段は考えられないような行動を起こすことがあるということを理解しておくことが重要です。
類義語
- 背水の陣
- 背水之陣
- 一か八か
- 死に物狂い
- 最後の抵抗
英語表現
- A cornered rat will fight like a tiger.
- Desperate people do desperate things.
- When the going gets tough, the tough get going.
- Never give up, no matter what.
- Fight to the bitter end.
その他
- 「窮鼠猫を噛む」ことわざは、中国の故事から由来すると言われています。
- 戦国時代の武将、陳勝・呉広の故事が有名です。
- 2人は農民出身の武将でしたが、秦朝末期の乱世に立ち上がり、数万人の兵士を集めて反乱を起こしました。
- しかし、秦朝軍に圧倒的な戦力で攻め込まれ、追い詰められた陳勝・呉広は、部下たちに「死んでも生き返ることはない。窮鼠猫を噛むように、最後まで戦おう」と呼びかけました。
- この故事から、「窮鼠猫を噛む」ことわざが生まれたと言われています。
「窮鼠猫を噛む」ことわざは、私たちに、どんな状況でも諦めずに戦うことの大切さを教えてくれます。
意味と使い方を正しく理解し、上手に使うことで、より強い意志を持って行動できるようになるでしょう。
参考URL:
故事百選