「見るに忍びない」は、見ていられないほどひどい、気の毒で直視できないという意味の慣用句です。主に、以下のような状況で使われます。
- 困窮している様子:貧しい生活を送る人や、病気や怪我で苦しむ人などを見て、いたたまれない気持ちになったとき。
- 惨めな様子:負け惜しみを言ったり、みっともない恰好をしている人などを見て、恥ずかしい気持ちになったとき。
- 悲惨な様子:戦争や災害の被害を受けた場所や、死体などを見て、心が痛むとき。
「忍びない」は、「こっそりする」「忍ぶ」という意味の動詞「忍ぶ」の連用形に打消しの接頭辞「不」と否定の助動詞「ない」を付けてできた言葉です。つまり、「こっそり見ることさえできない」という意味合いになります。
この慣用句は、単に「ひどい」や「気の毒」と表現するよりも、見ている側の強い感情を伝えることができます。
例文
- 路上生活者の見るに忍びない姿に心を痛めた。
- 試合に負けた後、悔しさのあまり見るに忍びない表情を浮かべていた。
- 地震の被害を受けた街は、見るに忍びないほど変わり果てていた。
類語
- 見るに堪えない
- 見るに見かねる
- 目も当てられない
- 言語道断
対義語
- 見事な
- 立派な
- 感動的な
その他
「見るに忍びない」は、状況によってはネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。使う場合は、相手を傷つけないように注意が必要です。