「一笑に付す」は、小さな問題や失敗を気にせず、笑って済ませるという意味の慣用句です。
「一笑」は、ひと笑い、つまり軽い気持ちで笑うことを指します。「付す」は、何かを任せる、託すという意味です。
つまり、「一笑に付す」は、小さな問題や失敗を気にせず、笑って他人に任せてしまうという意味になります。
この慣用句は、主に以下のような状況で使われます。
- 些細な間違いや失敗
- 他人の欠点や弱点
- 深刻な問題ではないと判断した場合
「一笑に付す」は、寛容や大らかさを表す言葉として、よく使われます。
しかし、問題の深刻さを軽視してしまったり、相手を傷つけてしまう可能性もあるので、使う場面や相手をよく考えて使うことが大切です。
類義語
- 大目にみる
- 寛大に扱う
- 鷹揚に構える
- 気にするな
- 気にせず
対義語
- 怒る
- 批判する
- 責める
- 執着する
- こだわ
その他
「一笑に付す」ということわざは、中国の故事から生まれたとされています。
中国の戦国時代、斉の国の宰相であった管仲は、国の財政再建のために、贅沢な生活を送る富裕層から税金を徴収することを提案しました。
この提案に対し、斉の桓公は「富裕層は国の経済を支える重要な存在であり、彼らを苦しめることはできない」と反対しました。
しかし、管仲は「富裕層から少しの犠牲を払ってもらうことで、より多くの人々が幸せになれる」と主張し、桓公を説得しました。
結局、桓公は管仲の提案を採用し、富裕層から税金を徴収した結果、斉の国の財政は再建され、国全体が繁栄しました。
この故事から、「一笑に付す」という言葉が生まれました。
「一笑に付す」は、小さな犠牲を払って、より大きな利益を得るという考え方を表す言葉です。
しかし、犠牲を払う人々に十分な説明と理解を求めることも重要です。