「兜を脱ぐ」は、降参するという意味の慣用句です。
語源
「兜」は、戦国時代に武将が着用していた頭部を守る防具です。「脱ぐ」は、身に着けているものを身につけていない状態にすることを意味します。
つまり、「兜を脱ぐ」は、戦場で敵に降伏し、兜を外すという意味になります。
意味
戦場では、敵に降伏することは命を助けるための手段でした。そのため、「兜を脱ぐ」は、命乞いをしたり、屈服したりするという意味で広く使われるようになりました。
現代での用法
現代では、戦場での意味合いは薄くなり、論争や議論で相手に負けを認めるという意味で使われることが多くなっています。
また、自分の非を認めて謝罪するという意味で使われることもあります。
例文
- 政治家は、国民の批判に負け、ついに政策を撤回した。彼は、国民の前で兜を脱いだと言えよう。
- 長年の論争の末、科学者は自分の理論が間違っていたことを認め、相手に兜を脱いだ。
- 彼は、自分の非を認め、相手に謝罪した。彼は、真摯な態度で兜を脱いだと言えるだろう。
類義語
- 降伏する
- 屈服する
- 負けを認める
- 白旗を揚げる
- 土下座する
対義語
- 勝利する
- 勝ち誇る
- 抵抗する
- 反論する
- 譲らない
その他
「兜を脱ぐ」という言葉は、武士道の精神にも通じるものがあります。
武士道では、命よりも名誉を重んじるという考え方が重要視されていました。そのため、戦場で敵に降伏することは恥辱とされ、兜を脱ぐことは勇気のある行為だと考えられていました。
現代社会においても、「兜を脱ぐ」という言葉は、潔さや誠実さを象徴するものとして、好んで使われることがあります。