「ひいきの引き倒し」は、贔屓し過ぎて、かえって相手を不利にしたり、迷惑をかけたりすることを意味する慣用句です。過剰な優遇や保護が、相手の成長を妨げたり、本来の能力を発揮できなくしてしまうという教訓を表しています。
例文
- 親が子供の勉強を過度に心配し、代わりに宿題をしたり、試験対策をしたりして、かえって子供の自立を妨げてしまう。まさにひいきの引き倒しだ。
- 会社が特定の社員を優遇しすぎるあまり、他の社員のモチベーションが下がり、会社全体の業績が悪化してしまう。まさにひいきの引き倒しだよ。
- 彼氏は彼女を過度に心配し、行動を制限したり、交友関係を監視したりして、かえって彼女を不幸にしてしまう。まさにひいきの引き倒しだね。
類義語
- 過保護
- 甘やかす
- 過干渉
- 溺愛
- 助長
対義語
- 自立
- 放任
- 適度な距離
- 信頼
- 尊重
使い方
- 「ひいきの引き倒し」は、過剰な優遇や保護が、相手に悪影響を与えることを指摘する時に使います。
- 主に批判として使われます。
- 同じ意味の慣用句に「溺愛は子を殺す」などがあります。
補足
「ひいきの引き倒し」の由来は、江戸時代の相撲から来ています。贔屓の力士が負けそうになると、観客が土俵に飛び降りて助けようとしたことから、過剰な応援が逆効果になるという教訓が生まれました。
現代社会でも、教育や子育て、恋愛など、様々な場面でこの慣用句が使われます。相手を本当に愛するとは、過度に保護することではなく、自立を促し、成長を助けることです。
「ひいきの引き倒し」は、愛情と責任のバランスについて考えさせてくれる、奥深い慣用句です。ぜひ、日常生活の中で積極的に使ってみてください。