「業を煮やす」とは、物事が思うように進まず、腹を立てるという意味を持つ慣用句です。
語源
「業」は仏教用語で、「カルマ」と呼ばれることもあります。仏教での「業」は、身(しん)・口(く)・意(い)による善悪の行為のことを指しており、身体と言葉と心は常に一致して行動に表れるという意味があるのだそう。
「煮やす」は、「煮る」という動詞に「やす」という接尾辞がついた形です。「煮る」は、鍋を火にかけて、ぐつぐつと熱して煮えた状態にすることを意味します。「やす」は、動詞の可能態を表す接尾辞で、「〜しやすい」という意味になります。
使い方
「業を煮やす」は、以下のような状況で使われます。
- 物事がなかなか思う通りに進まず、イライラする。
- 相手が約束を破ったり、思い通りに動かなかったりして、腹を立てる。
- 待たされるなど、時間的に余裕がない状況で、焦りを感じて怒り出す。
例文
- 交渉が長引いて、業を煮やして席を立った。
- 彼の無責任な態度に、業を煮やして怒鳴ってしまった。
- 仕事が忙しくて、つい子供に業を煮やしてしまう。
類語
- 腹を立てる
- 怒る
- 苛立つ
- イライラする
- 憤慨する
対義語
- 忍耐強い
- 冷静
- 寛容
- 泰然自若
- 怒りっぽい
補足
「業を煮やす」は、比較的強い怒りを表す言葉です。
そのため、使う際には状況に注意が必要です。
また、「業を煮やす」は、自分の感情を表す言葉であるため、相手を責めるようなニュアンスを含んでしまう場合もあります。
相手に不快な思いをさせないためには、言い方に注意する必要があります。